国土交通省の担当者はこちらの事情を仔細に聞き、当社の決算内容をチェックした上で、資本金を増資すれば免許を発行できると言った。
第一種旅行業免許を取得すれば、旅行に関してほぼ制限なく手配できる。このような資格を与えるためには、消費者を守るべく十分な資金面の裏づけが必要だから、というのがその理由だった。ただ、親会社からの代理店契約を数ヶ月先に迫られる中で、それだけの増資を銀行に頼むのは難しい。池野は、親族の助けも借りて、何とかその資金を用意した。またこの時、国土交通省の登録係長と旅行業法を基に、池野は留学と旅行の線引きについて散々議論した。今で言うところの留学が旅行業法の適用を受けるか否かの問題だ。この段階では、明確な答えは出なかったが、このとき留学と旅行業法の関連について考えたことが、後の海外留学生安全対策協議会の設立、JATAの留学・語学研修等協議会を手伝うきっかけとなるのである。 |